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2015年3月15日 (日)

余部橋梁物語 僕らの町に汽車がやって来た 第3夜

皆様、こんばんは。
本日もしばしお付き合いくださいませ。

この物語も3日目を迎え段々と佳境に入ってまいりました。元々長い文章を書くのはあまり得意ではなくどちらかと言うとショーとショートの物語だったのですが、最近は中年ならぬ中篇にこだわっております。苦笑

さて、昨日は知事が小学生から送られた手紙を見て、その意思を固めるといったお話で終わっていたと思います。
今日はその3話目、季節はちょうど今頃の季節、3月のお話です。

> 知事にしてみれば、陳情の文書などは、どれも同じと思っていましたが、それほど切実な思いが有るのであれば本腰を入れて陳情するしかないと新たに勇気を奮い起こすのでした。
>
知事は思いました、兵庫県は、近畿地方で唯一、瀬戸内海側と日本海側の両方に接する県であり、その気候風土は全く違うのだと改めて思うのでした。
県庁がある神戸市側では、温暖な瀬戸内海の恩恵を受けて、冬も雪は殆ど降らず、また海が近いこともあり一年の温度変化も比較的少ない、それに対し、日本海側は、夏場は比較的過ごしやすいとはいえ、冬場は厳しい寒さが待っていることを思い出していました。

 兵庫県は、二つの性格を持った地域だ、なるほど、私が執務する神戸市からは日本海側の事情などわかる由もないな。

 知事は、向こう2ヶ月の予定を秘書に確認させることにしました。

 やがて、秘書から6月の第3水曜日と木曜日は今のところ予定はないとのこと。

知事は、早速その二日間を香住町に出張するよう命じたのでした。
秘書は、この時期に何を視察されるのですか?訝しげに思いながらも、予定を埋めていくのでした。

もう一度、知事は小学生が送ってきたその手紙を読み返してみました。
小学生とはいえ、子どもたちがこれほど駅を作って欲しいと望んでいるのだから、まず見に行こうそして、私の目で確かめてから。

机には、未決の書類が山と詰まれていました。
役所と言うのはなんと書類の多いところだろう、半ば辟易としながらも書類に印を押していくのでした。

実際には、もっと多くの書類がやり取りされているのですが、その多くは課長決済、部長決済という乙決裁、丙決裁と言った簡易な文書が多く、実際に知事まで上がるのはかなり重要な文書しかあげていません。
 それでも、机の書類整理箱から溢れるほど書類があるのです。
実際は、その多くが参考資料であったり、過去のやり取りを綴っただけのお飾りですので必要ないと言えば必要ないものばかり、いわば責任逃れの書類と言えました。

「ふぅ、中身のない書類ばかり作って無駄なことよ。」

知事は、一通り目を通すと後は機械的に決裁印を押していくのでした。

知事としての職責というのは、単に決裁印を押すだけの仕事なのだろうか。

知事はふと思い立ち、香住長町宛に手紙を書いたのです。

本来であれば、秘書に命じて書かせるか電話すれば済む事だったのですが、子どもの手紙の件もあり、気がつけばペンを走らせている自分自身に知事自身が驚いていました。

 香住町町長 藤原 保 殿                              昭和31年5月21日

    

 拝啓

 新緑の候、いかがお過ごしでしょうか。
 日々町政にご尽力されていることに頭がさがる思いでございます。

 さて、先日、兵庫県庁あてに別紙のとおり、小学生の手紙が届けられました。

 内容は、餘部の集落に駅を設けて欲しいという内容だったのですが、実際の状況、特に冬場の状況などを一度きちんと教ええていただきたく、このような手紙を出させていただきました。
 つきましては、来月6月の20日と21日に香住町の役場に伺いたいのでよろしくお願いいたします。

                                     敬具
   兵庫県県知事

      坂本 勝

実際には、墨で書かれた格式ある候文で会ったが、現在の人にも読みやすいように現在文風に訳してみました。

 その手紙を、封筒にれると、知事は自ら封をして、ポストに投函するのでした、時刻はお昼過ぎ、「さて、もう一仕事しようか。」

そう呟きながら、再び知事室に戻っていくのでした。

明日は、香住町長との面会からスタートさせる予定です。m(__)m
注:この物語は、公人【知事】を除き、全てフィクションです。Image33104

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