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2015年4月22日 (水)

餘部橋梁物語 僕らの町に汽車がやって来た 第36夜

> 「きっと、おじさんたちの仕事が人の役に立つ仕事なんだろうな。」
>
> その言葉を聞いた瞬間、猫尾にパッとフラッシュが焚かれたようなそんな錯覚を覚えたのです。
>
> 「そうか、それだったのか。」
>
> 猫尾は、独り言を呟いたのでした。
>
猫尾は、「さとし」に対する答えがこれだと確信したのです。

俺たちの仕事は、形は残っても名前なんて残らない、単なる作業員だ。
でもそれが当たり前だと思っていた、難しいことは解らないし、親方の指示さえ守っていればそれでいいのだと・・・。

仕事の最初に親方は言っていた、その時もただ漠然とここに駅ができるんだなぁ・・・それ以上に何も感じていなかったのだが、改めて思い起こせばそうだったのか。

改めてそのことに気づいた猫尾はとても嬉しくて、そして自分の仕事が誇らしく思えてきたのでした。

何のために仕事してるのかと問われて、戸惑ったが考えて見ればもっとシンプルなことだったのだ。

猫尾は、ガキ大将の次郎に、

「坊主、ありがとうよ。」

次郎は、いきなり「ありがとう」と言われてキョトンとしています。
だって、大人からどやされることはあっても、お礼を言われたことはなかったのですから。

返事に困った次郎は、下を向いたまま走り去っていきました。

それを見送りながら、猫尾は、

「俺の探していた答えを、図らずも子供に教えられるとはな。」

猫尾は、心の中で呟きながら少し晴れやかな気持ちになるのでした、明日さとしに会ったらこの話をしてやろう。

そう思いながら、片付けを始めるでした。
すでの他の人夫たちも片付けを終えて三々五々帰っていきました。

「明日も頑張ろう。」

自分が探していた言葉のピースが見つかった喜びを胸に、猫尾は自転車に乗りいつもの女将の店に向かうのでした。

お上にこの話を猫尾はするのでしょうか・・・それとも。

さて、この続きは明日にでもさせていただきます。Kiha22_blackcat

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