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2015年6月 2日 (火)

鉄道公安官物語 第3話

> そうだ、今度の休みの日にあいつに会いに行って話をしてやろう。
> そう思い直して、つまらなく長く感じる刑事訴訟法の話を聞く白根だったのです。

今日は日曜日、退屈な授業もありませんから白根は久々に幼馴染の黒木と会うことになっていました。
彼が、白根の幼馴染であり、一足先に警察官として働いているのです。

彼の名前は、「黒木原男」と呼ぶのですが、口の悪い幼馴染たちからは、「原」・「原」と呼ばれていました。
そのうち、誰が言うとも無く、黒木原男→黒木原→黒井腹→黒腹などとありがたく無いニックネームで呼ばれたりしているのですが、本人はいたって真面目な好青年なのです。

まぁ、時々辛口な批判をするところが珠に瑕なんですけどね。【苦笑】

そんな、彼と鉄道学園近くの喫茶店で会うことにしたのです。

約束の10時丁度に行くとすでに彼は待っていて、

「鉄道学園では5分前行動じゃないのか?」

いきなり、辛辣な言葉が飛び出します。白根も思わず幼馴染故の気のおけなさから、

「国鉄は時間に正確なんだよ、だからジャストに着たのさ」

と、言い訳にも何もならないような反論をしながら、再会を喜び合ったのでした。

「どうだい、鉄道学園とやらでの勉強は。憧れの公安官になるんだと言ってたよな。」

黒木が切り出してきます。

「そうなんだよ、毎日聞くことが目新しいことばかりで面食らっているよ、安全輸送の話なら国鉄に入社以来聞かされているから抵抗は無いんだけどね。」

そういって、延々と安全の綱領を口ずさむのでした。

>「 一、安全は輸送業務の最大の使命である。」
>
> 「二、安全の確保は、規定の遵守及び執務の厳正から始まり、不断の修練によって築き上げられる。」
>
> 「三、確認の励行と連絡の徹底は、安全の確保に最も大切である。」
>
> 「四、安全の確保のためには職責をこえて、一致協力しなければならない。」
>
> 「五、疑わしいときは、手落ちなく考えて最も安全と認められるみちを採らなければならない。」

白根は一気に話すのでした、これには黒木も慌てて

「わかった、わかった。もういいよ。」

慌てて打ち消しながらも、白根は国鉄マンだなぁと変に感心したのです。

「それでどうだい、学園の授業は面白いかい。」

改めて聞きなおすと、白根は少し顔を曇らせて

「さっきも言ったように、刑法とか刑事訴訟法、特に刑事訴訟法なんて聞いてもまったくわからなくてさ、毎日が苦痛かも・・・。」

「そんな弱音を吐いてどうするのさ、おまえは警察官になれなかったけど、国鉄には公安官という制度があるからそこでは警察官と同じようなし事ができるからと言っていたじゃないか。」

白根は、黒木の言葉にはっとしました。そうだ、俺は何を弱音を吐いてるんだろう。

俺も、公安官として配属されたら、こいつと同じ「司法巡査」じゃないか。
自身で言い聞かせていたのに、白根は少し恥ずかしくなってきました。

「黒腹、いや、黒ありがとう、大事なことを忘れるところだったよ。俺も公安官職員として正式に配属されれば国鉄職員でありながらも司法巡査として警察官と同じような仕事をするんだったよ。」

黒木は微笑みながら、

「そうさ、おまえらしくないから渇を入れてやったのさ。」

そう言うと黒木は、カップに少しだけ残ったコーヒーを飲み干して言うのでした。

「白、公安官も拳銃を使うんだろう。」

 「ああ、拳銃を使うさ、でも通常は持つことは無いと言われているけれどな。」
 「警察官は、いつも携帯するのかい。」

「そうだよ、勤務中は必ず拳銃は携帯しないといけないし、勤務終了後は警察署に返すことになっているのさ。」

公安官は、基本的には国鉄職員でありサービス業ですので基本的には拳銃は持つことはありませんでした。
公安警備【要人の警護などで警察官と協同で警備するときなどは携帯】など特殊な場合に限られていたのです。

 「でも、拳銃の訓練はあると聞いてるよ、きっとお前が行っていた警察学校で訓練すると思うんだけど。」

「そうか、それじゃ拳銃のことを少しだけ話しておこうか。」

そういって、黒木は拳銃の話を始めるのでした。

さて、このお話に続きは後ほど。

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警察官時代に使っていた、S&W M10(.38ミリタリー&ポリス)

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