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2016年10月19日 (水)

機関助士 佐倉一郎の思い出話 第2話

みなさま、こんばんは。
また1週間ほど開けてしまいましたね。
さて、本日も少しだけお話をさせていただこうと思います。

> さて、狭いボイラーの中では体を動かすのも一苦労。
> 特に木次線で使っていたC56形はボイラーも小さいので本当に体を動かすのも大変なのでした。
>
> さて、時間が来たようですので、そのお話は、改めて次回にさせていただきますね。

佐倉君今日は、朝から憂鬱な気分でした、朝起きてからの足取りが重いこと・・・いつもなら始業時間よりも1時間近く早く行こうと思うのですが今日はどうにも足が重いのです。

足に錘が付いているかのように動きません。

それは、佐倉君に限らず新人にとっては一番苦痛の蒸気機関車の煙管掃除の火だからです。
特に今回は木次線や三江北線で使っているC56でした。

前の火に火を落としてあるとはいえ、熱が残っているため釜の中はそれだけでも大変なのに、煤煙被害を防ぐために防塵マスクをかけるから余計に息苦しくて・・・さらに、C56のボイラーは本線を走るD51等と比べると非常に小さく、体を動かすのも難儀なほどだったのです。
524101
おはようございます、始業の10分前に機関区に出勤した佐倉君、出勤簿に印鑑を押します。

「おい、今日は遅いなぁ・・・。」

笑ながら先輩の庫内手が声を掛けます。

 「あ、浜口先輩、おはようございます。」

彼は、この機関区の2年先輩で佐倉君が入ってくるまでは一番新人だったのですが、2年ぶりに佐倉君が入って来たので、ちょっと先輩風をふかしたかったのでした。

庫内手の仕事は色々あって、清掃作業ではロッドの磨きだしや、車軸への給油、砂箱への砂の補給など多岐にわたる作業がありました。
もちろん新人のうちは、ナンバープレートの磨きだしなどの目立つ作業はさせてもらえず、ひたすら足回りの整備などの仕事や今日の仕事のように釜掃除が主な仕事だったのです。

始業時刻となり、助役から連絡事項が伝えられ、その後は班長に指示が続きます。

「佐倉、お前、今日は釜の掃除だから、早めに準備しておけよ。」

  「はい、・・・」返事だけは元気よくと行きたかったのですが、どこか元気がありません。
すかさず、班長からの突っ込みが入ります。

「佐倉、釜掃除は俺たちだけでなく機関士にとっても大事なことなんだから頼むぞ」

流石に、班長にそこまで言われたら覚悟を決めて?

「はい」大きく返事しなおす佐倉君でした。

そんなこんなで、点呼が終わると早速佐倉君は、菜っ葉服の首周りにタオルを巻き付けその上から大きめの菜っ葉服を、更に防塵眼鏡をかけて準備完了です。

掃除予定のC56形機関車は、所定の位置に停車しており、早く掃除してくれよと催促しているようでした。

仕事だと言う使命感と、嫌だなぁと言う気持ちが交錯しながら機関車の前に来た佐倉君、覚悟を決めて運転台に上がります。

C56の運転台はC12型機関車にテンダーを付けたような機関車で、機関士席前の長いレバーは、加減弁。
車で言えばアクセルのようなものです。

早く、蒸気機関車を運転したいなぁ…そう思い憧れの機関士席に座ってみる佐倉君でした。
出発進行・・・指さし確認して…そうつぶやきかけた時。

下の方から声が聞こえます。

「佐倉、機関士になるのはまだまだ早いぞー。早くかからないと日が暮れちまうぞ・・・」

班長の声が聞こえます。特段怒っているわけではないのですが、声が太いので怒っているように聞こえるようです。

 「すみません・・・すぐ始めます。」

笑ながら班長が、
「まぁわからんでもないわな。佐倉にしてみれば、憧れだもんなぁ。だからこそ、余計に綺麗にしてやれよ。機関車は生き物だからな。」

班長からの檄が飛びます。

「はい、ありがとうございます。」

真面目な佐倉君は、圧搾空気を送るホースとブラシを釜に放り込んで、自分もその中に入っていくのですが・・・狭い投炭口は毎度のことですが着ぶくれした状態なのでなかなか入るのは困難です。
特段照明も無いので頼りは頭に付けた懐中電灯だけです。何とか体をねじって機関車の中に入れたものの・・・毎度のことですが、釜の中は熱い、余熱があるのと当然のことながら空気の流れが殆ど無いわけですから。

佐倉君、早速ブラシを手に持ってまず左上の方にある煙管から順番にブラシを押し込んでいきます。
煤を出来るだけ煙室側に送るためなのです。
こうして、順番に押し込んでいくのでした。
1本、1本・・・

100本近くある過熱管を1本1本丁寧にそ掃除するのですが、10分もすると汗が噴き出してくるのが判りのでした。

今回で煙管掃除が終わると思ったのですが、申し訳ありません。
長くなりそうなので後半部分は次回にさせていただきます。

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