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2016年11月 1日 (火)

機関助士 佐倉一郎の思い出話 第3話

> 煤を出来るだけ煙室側に送るためなのです。
> こうして、順番に押し込んでいくのでした。
> 1本、1本・・・
>
> 100本近くある過熱管を1本1本丁寧にそ掃除するのですが、10分もすると汗が噴き出してくるのがわかるのでした。
>
この仕事は、新人の仕事とはいえ、正直辛いものです。
何といっても、釜の中は暑い上に狭く炭塵が舞っています。
もちろん防塵マスクで完全装備しても、掃除が終わると顔はやはり煤が忍び込んでいます。

今日は比較的小さなC56ですから煙管の本数も少ないので作業は比較的短時間で済みました。
でも、これがD51になると本数も多く、かつ長いのでその手間はC56の比ではありませんでした。
ただ、煙管掃除は、こうして圧搾空気で煙管の煤を払って終わりではありません。

この後、煙管の煤は前の煙室に溜まった煤を捨てる作業があるのです。

一通りの作業が終わった、佐倉君。逆流してきた煤の影響もあって真っ黒の塊のようです。
焚口のドアから顔を出して来る様は何とも異様です。

「暑ーい・・・。」
マスクを取って開口一番。佐倉君は叫びます。
完全装備したはずですが、口の周りを黒い髭のように煤がこびりついています。

それを見た先輩の浜口が笑います。

「佐倉。何時から髭伸ばしたんだ、朝は髭なんかなかったのに。」

と揶揄います。

 「せ、先輩、それは無いですよ。」

「いやぁ、すまんすまん、大変だなぁと思ってな、お前も早く後輩出来たら解放されるのになぁ。」

浜田君も、佐倉君がやってくるまでは一番若手の庫内手として2年程、佐倉君がしている仕事をしていたのでした。

時計は11:30を指しています。
佐倉君は、首に巻いたタオルなどを外して、少しでも涼もうとしています。

約15分くらいでしょうか、火室専用の装備を解いて身軽になった佐倉君、今度は機関車の前に回り、おもむろに機関車の煙室ハンドルを回し始めました。

煙室扉を開けると煤が舞い上がります。
少し咳き込む佐倉君でした。

煙室の床には、黒いじゅうたんがひかれたようにも見えます。

サクッ、佐倉君がスコップを黒いじゅうたんへ。
両手でスコップをもって、そのまま煙室の外のピットに投げ出します。
1杯、2杯・・・19杯、20杯・・・・一杯足りない。
というのは冗談で。
何回かに分けて掻き出すのでした。

そうして、すっかり煙管掃除が終わって、やっと遅い昼食にありつける佐倉君でした。

でも、これで終わりではなかったのです。
さらに、火入れの作業が残っているのですが、この辺のお話はまた次回にさせていただきます。
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