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2016年12月 9日 (金)

機関助士 佐倉一郎の思い出話 第7話

20161122_30

>班長は、今度はお道化て
>  「頼むぜ、佐倉助役」
>笑いながら、肩を叩くお茶目な班長でした。

さてさて、10日も空けてしまいましたが、続きを書かせていただきましたのでよろしければお読みください。

早速、翌日から綾瀬さんに声を掛けてみるのですが、返事してくれるどころか、露骨に嫌がるそぶりを示す綾瀬さんに次第に佐倉君も話しかけなくなりました。

半分諦めかけた頃、助役から機関助士の試験を受けてみないかという話がありました。
佐倉君にしてみれば機関士になりたくて国鉄に入ったわけですから天にも昇る気持ちです。

その様子をたまたま見ていたのが、綾瀬さんでした。

珍しく、綾瀬さんから佐倉君に声を掛けます。
「佐倉。お前機関助士の試験受けるんか・・・」
ちょっと、ぶっきらぼうに話かける綾瀬さんです。

「はい、助役が受けてみないかと・・・」と、そこまで言いかけて気付いた佐倉君は、
「い、い、いえ、助役が受けろと煩いもので・・・。」

 「俺に気を使っているつもりなら、気にするな。俺だって機関士になりたかったけど、適性試験で落とされてしまったんだ。」

「機関士のりと言うのはな、乗客の命預かってんだ。」
「機関士が信号見落として、衝突しました・・・なんてことは絶対許されないんだよ。」
「だから、だから・・・・くそ、俺だって機関士になりたかったんだ、・・・。」
「佐倉、なるんだったら日本一の機関士になれよ、ならなかったら承知しないからな。」

そう言うと、いま来た方向に再び戻っていくのでした。
「綾瀬さん・・・・。」
佐倉君の横を通り過ぎるときにきらっと目に涙が光ったようでしたが・・・。

少し離れたところから、佐倉君の方を振り向かずに綾瀬さんが叫びます。
俺は泣いてなんかないんだぞ、これは汗なんだ。目に汗が入って涙に見えただけなんだからな。
それを聞いて、佐倉君は綾瀬さんの気持ちが痛いほどわかるのでした。
「綾瀬先輩、僕、いえ、俺、日本一の機関士になります。」

そう叫ぶのでした。
暫くしてから、綾瀬さん振り向きもせず、ああ、いいってことよ。
「頑張れよ、機関助士佐倉・・・。」

佐倉君は、綾瀬さんの姿が見えなくなるまで見送るのでした。

続く

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