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2017年2月24日 (金)

機関助士 佐倉一郎の思い出話 第13話

> 実際には、口は悪いですが、浜田機関士はそんなことは一切なくて後に最も尊敬する機関士の一人になるのですがそれはもう少し先の話になります。
> さて、いよいよ機関助士としての最初の一歩を踏み出した佐倉君、これからどんなことが待ち受けているのでしょうか。
すみません、またまた2週間ほど開けてしまいましたが宜しければお読みください。
佐倉君にしてみれば初めての機関車乗務、今までは憧れでしかなかった蒸気機関車に乗ったわけですから、もうワクワクしています。
機関車には最初に機関助士の大田さんが乗り込み、次に機関士の浜田さんが乗り込みます。
ホームはありませんから、まじかに見るとやはり大きく感じます。
「佐倉、ぼっとしてないで早く乗れ」
浜田機関士の声が上から降ってきます。
 「はい、すみませんすぐに上がります。」
慌てて駆け上がろうとする佐倉君に浜田機関士の雷が飛びます。
「馬鹿野郎、怪我したらどうするんだ、落ち着いて一歩一歩ステップ上がってこい、すぐに動かないから。」
そう言われていささか委縮してしまう佐倉君ですが、その辺はベテランの浜田機関士
「俺たちは安全第一なんだ、それに体が資本だからな、怪我したら大好きな機関車に乗れないだろうが・・・だから、十分安全には気を付けろと言ってるんだ。」
言葉は粗いとはいえ、本当に佐倉君を心配していることが言葉の端々から伝わってきます。
機関車の運転台は広いと思っていましたがさすがに3人が乗るとむしろ窮屈です。
浜田機関士が助士の大田君に話しかけます。
「大田、今日はお前がメインだけど、佐倉にも仕事覚えてもらうために途中で投炭作業交代しろ」
「それと、ショベルの使い方も教えておいてやれ」
 「はい」
大田助士が短く返事したのち、早速火床の整理を始めるのでした。
焚口を開けると熱風が容赦なくキャブに這い上がってきます。
大田助士は黙々と作業を進めていきます。
それを遠巻きに眺めるだけの佐倉君でした。
やがて構内の信号機が進行の現示を示しています。
今から客車区に客車を受け取りその後、駅で乗客を乗せるのでした。
佐倉君にしてみれば本当に本当に初めての経験です。
今まで機関区の構内だけでしか見たことが無い機関車が駅構内の信号機を越えて、客車区に向かって進んでいきます。
検修庫は機関車の運転台からは見えませんでしたが、そこでは綾瀬さん他多くの仲間が汗と油にまみれながら整備していることでしょう。
少し誇らしげな気持ちと、すまないという気持ちが交錯しながらやがて機関車は少しづつ速度を上げていきます。
機関区から客車区はすぐ隣なので機関助士も特に投炭する必要もないので助士席に座っています。
さすがに、佐倉君の席は無いのでどうしようと思っていると、大田助士が、
「テンダにでも座っていればいいですよ。」
この時初めて大田機関助士が話しかけます。
機関車は比較的ゆっくりしたスピードで客車区に到着ここで、構内係の誘導で客車を連結します。
構内でのこうした監視も機関助士の仕事、もちろん機関士も見ていますが、常時二人の目で確かめる様にしています。
浜田機関士は体を乗り出して構内係の手旗を見ています、浜田助士も反対側の運転台から顔を出して様子を窺っています。
ここで構内係は、機関車から降りてゆっくりゆっくり緑の旗を振って誘導します。
あと5m、3m」、2m・・・ガチャンという音とともに機関車が客車と連結します。
その一部始終を見ていた佐倉君は感動してしまうのですが・・・。
そこで、またまた浜田機関士のカミナリが・・・。
まぁ、その辺のお話はまた次回にいたしましょう。Dsc_0047_2

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