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2017年5月27日 (土)

機関助士 佐倉一郎の思い出話 第19話

皆さまこんばんは、気付けば2週間近く空けてしまいました。
しばしお付き合いくださいませ。

> それでも、黙々と火床の整理をするのでした。
> 改めて、機関助士の仕事の大変さを感じる佐倉君だったのです。

大田機関助士は、再びショベルを持つと投炭を続けるのでした、ある程度投炭が終わると、「しばらくは大丈夫ですから、次は佐倉さんがまた投炭してみてくださいね」

そう言われて一先ず、テンダに腰掛ける佐倉君、すかさず浜田機関士から雷が落ちます。

「佐倉、お前も機関助士だから一緒に信号の確認をしないか」

単なる添乗ではなく機関助士としてみてくれている、言葉は荒いけれど決して佐倉君を嫌っているのではなく、むしろ一人前の機関助士になって貰おうということをひしひしと感じるのでした。

「ハイ」

佐倉君は大きく返事をすると、大田助士の邪魔にならないように気を使いながら浜田機関士・大田助士と一緒に信号を確認喚呼していきます。

最初の頃は中々信号が見つけられなくて、浜田機関士から厳しい声が届きます。
「信号の見落としは。機関士の恥だぞ、お前もいずれ機関士になるんだ」

決して、怒っているのではありません。
浜田機関士の佐倉君に対する思いやりからなんです、ただ照れもあってなかなか優しい言葉をかけられないのでした。

佐倉君もすっかり、理解していました。
浜田機関士は悪い人ではなくて、むしろ僕のことを本当に思ってくれているんだ。

そう思うと、浜田機関士の背後で様子を見ながら信号の確認するのを目で追うようにしていました。
段々と慣れてきたのでしょう、佐倉君も浜田機関士の喚呼の後、大田助士と一緒に遅れることなく信号喚呼していきます。

最初の頃は照れもあってなかなか声も出なかったのですが、一度大きい声で叫んでみるとそこからは結構声が出せるようになったようで、大きな声で、信号喚呼を行います。

大田助士がしばし声を掛けます。

「佐倉さん、そろそろ乗務員の交代です、その前に少しだけ投炭してみますか。」

火床の整理もさることながら佐倉君に練習させてみようという、大田助士の気遣いからでした。

「ハイ」

手短に返事して早速ショベルを両手で、掴んで石炭を掬い、落ち着いて火室を開けます。
熱風が顔に噴き上げてくるのを我慢しながら出来るだけ万遍に石炭を投入していきます。
何回か投入したところ、大田助士から。

「もう、良いですよ。後は私が火床を整理しますので」

そう言うと、火箸で火床を再び均していきます。

「先ほどと比べると均等に撒かれていますね。」

大田機関助士は火床を整地しながら話しかけます。

間もなく浜田機関士たちの乗務は終わり、長いようで短かった1時間半の道のり。
佐倉君にとっても貴重な体験であったことは間違いないようです。

いよいよ次回は最終回に出来るかな・・・。(^^♪

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