« 気動車区、向日京二君の思い出話 | トップページ | 気動車区、向日京二君の思い出話 第3話 »

2017年11月14日 (火)

気動車区、向日京二君の思い出話 第2話

検修の合間に聞かせてくれたのでした。

そんなお話を次回以降させていただこうと思います。

京二君は、デイゼル機関の修理であり、エンジンを分解するためどうしても作業服は油で汚れがちになります、時には顔に思わず髭が伸びたりしています。

「向日、偉くなったもんだなぁ髭なんか伸ばして」・・・時々班長が笑いながら声をかけます。

 「す、すみません、」

慌てて手でこするものだから余計に顔全体に広がって・・・。

「向日、取りあえず顔洗ってこい。ここはいいから。」

そう言われると、慌てて一礼して手洗いに向かう、向日君でした。

顔を洗って戻ってくると、班長が笑いながら、
「向日、慣れないから大変だろうけど経験が大事だからなぁ」

そう言うと、京二君に話しかけるのでした。

「俺が、ちょうどお前くらいの時に丁度、「まつかぜ」や「かもめ」に使っている80系が新規で配置されたんだ。」
Dc81blackcat2
「前年に作った、81形(はつかり形)というのがエンジントラブルばかり起こすもんだから新聞の格好のネタにされてなぁ。、国鉄の偉いさんも参ってしまって、翌年にうちにも特急気動車が配置されると聞いたときは、組合としても壊れない車両を入れてくれと申し入れたものさ。」

 「そうなんですね。」
すかさず、京二君も相槌をいれます。
更に班長は雄弁に話し出します。

「当局の偉いさんも、本来であれば10月の改正であるが、大事を取って約1か月間は通常ダイヤに乗せて毎日運転することになったんだ。
白鳥なら。大阪から青森まで直通運転させただろう、14両編成でエンジンが20個近くもあるのだが、帰ってくると所々エンジンが動かなくなTetsucafe_tennouji1 っているのが幾つかあるわけ。」

「それをだな、その日のうちに修理しろと言う訳だ。」
「それはそれで大変でな、連日深夜の泊りのものが修理するわけだが、エンジンが焼き付いている場合もあるが一番多かったのがガスケットが壊れる奴だな。」

何ですかそれは?
ちょっと興味津々に向日君が質問します。

エンジンのヘッド開けたら、銅製のガスケットがあるだろう。

「はい、知ってます。」

向日君が元気に答えます。

ちょっと苦笑しながらも班長が、

「あのガスケットの間の銅板が割れて繋がってしまう事故が多々あってな。」
「出力が下がるし、オイルを余分に食うから最悪エンジン焼き付き起こすこともあるんだ。」「だから早めに発見してやるんだけど、青森や長崎まで走ってくるからは大変だぞ。」

「特に、白鳥なんか帰ってきたらエンジン5から6台くらい動かないのが当たり前だったからなぁ。」

班長は、当時のことを思い出しながら話します。

さらに、こんなことも。

「特に冬場は大変だったわ、台車とか他の機器類に雪がこびりついて取れなくてな、作業中に溶けて頭に雪の塊を直撃されたこともあったなぁと。むち打ち症になったやつもいたっけ。」

「え?そうなんですか。」
素っ頓狂な声を出して驚く、向日君に班長は、

「冗談に決まってんだろう、本当に向日は人を疑うと言うことを知らないなぁ」

班長は笑います。
「まぁ、それがお前のいい所なんだけどね。」

班長は目を細めて笑うのでした。
さて、そろそろ向日にも新しい仕事を教えてやるとするか。
そういって、向日君の背中を軽くポンと叩く班長は、まるでお父さんのような気持ちになったのでした。

続く

« 気動車区、向日京二君の思い出話 | トップページ | 気動車区、向日京二君の思い出話 第3話 »

鉄道」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2086385/72113212

この記事へのトラックバック一覧です: 気動車区、向日京二君の思い出話 第2話:

« 気動車区、向日京二君の思い出話 | トップページ | 気動車区、向日京二君の思い出話 第3話 »

フォト
無料ブログはココログ
2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

Facebook 国鉄があった時代