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2018年12月20日 (木)

駅員、砂川次郎の独り言 第一話

皆様こんばんは、初めまして。
砂川次郎と言います、blackcatこと黒猫氏から、定年の記念にあなたの思いで話を書いてくれと言われたのですが、元より学も無く、文才も無いのでとお断りしていたのですが、若い頃のお話で良いからと言われ、さほど面白いお話も無いですよと申し上げたのですが、若い鉄道ファンには、私が駅員になった頃のお話をしたら、是非そのお話をしてくれと言われました。
そんな、駅で切符売った話とか、行き先板【サボ】を付け替える話とか面白いんですかと申し上げたのですが、そんな話ほど今の人は、知らないからと上手くおだてられて、書くことになりました。
いかんせん、もう何年も前のことで有り、思い出しながらなので間違いもあるかもしれませんが、その辺はまぁ、年寄りの思いで話として聞き流してやってくださいませ。

ということで、早速当時のお話などをさせていただこうと思いますが、私は昭和40年に地元の高校を卒業後、おじさんを頼って天王寺鉄道管理局の採用試験を受けることにしました。
当時私は、御坊市というところに住んでおり、天王寺まで行くのは一苦労でした。
今でこそ、特急も走っていますが、当時の特急は御坊など停車しませんでしたが、準急列車か一部の急行列車が停車していました。

試験は天王寺鉄道管理局で行われるとのことで、朝かなり早い汽車に乗ったことを覚えています。
日高川から乗った、御坊臨港鉄道の小さな気動車には私と運転手と車掌、後発車間際に二人ほど乗ってきただけでした。
早朝に、高校生が乗っているものですから、列車の発車前に車掌が珍しがって、
「坊主これからどこへ行くんだ?」
と話しかけるのでした。

私は、少し照れながら、「おじさんの伝手で、国鉄の試験を受けに行くんだ」と言いました。
車掌は、たまげたような顔をして、
「そっか、国鉄にいくんか?」

「いや、まだ決まったわけじゃ無くてこれから試験受けるんだけど・・・」
途中で話を遮るように、

「いや、親戚の伝手なら合格したようなもんだなぁ。儂も国鉄に行きたかったけど試験に落ちてなぁ・・・。まぁ、ガンバレや」

そう言っていると、運転士が、「そろそろ時間だから出発するぞ」と叫びます。

車掌も慌てて、「スマンスマン、発車オーライ」

しばらくすると、最初の停車駅西御坊に到着、ここでも二名ほど乗ってきてすぐ発車、その後途中の駅での乗降も無く、程なく御坊駅に到着、車掌が切符を回収せず、そのまま駅員に渡すようにと言います。

駅で切符を渡し、改めて天王寺までの切符を購入します。
試験は10:00からのため、東和歌山駅に7:56に到着する列車に乗れば何とか間に合いそうです。
早速、駅で切符を買うのですが、そこでも駅員に高校生がこんな朝早くから天王寺まで行くのか? と言う怪訝な顔で聞きます。
受験票を見せて、国鉄の試験を受けるというと、今まで仁王のようにいかめしい顔だった駅員が旧に柔和な顔になり
「そうか、坊主、国鉄受けるんか、国鉄受かったら駅員が良いぞ、間違っても機関車乗りになるなよ・・・」
もう受験する前から、駅に勤務しろと勧められます。

私としては、困惑してしまって黙っていると、その駅員が一言

「ガンバレよ」

そう言って送り出してくれたのでした。
お釣りを受け取り、改札を出ると、助役がホームに立っています。
そうしてしばらくすると、蒸気機関車が警笛を鳴らしながら駅に侵入してくるのでした。

シュッシュ・・・ドラフトの音を響かせながら。機関車は助役の前を通過していきます。
助役は機関士に向けて敬礼し、機関士は前方を注視したまま停止目標でピタリと停車させます。
駅員が、マイクで、「御坊、御坊、御坊でございます。御坊臨港鉄道はお乗り換えでございます」と伝えています。
旅慣れた人や地元の人は、さっさと御坊臨港鉄道のホームに向かうものの、旅慣れない人は右往左往、駅員に聞いて小走りに臨港線ホームに走り寄ります。

123列車、和歌山市行きが発車するのと歩調を合わせるかのように、御坊臨港鉄道の気動車も歩を進めていくのでした。

おっと、肝心の私の駅員になった頃のお話からと思ったのですが、試験を受ける前からのお話になってしまいました。
blackcatからの依頼された紙数に達してしまいましたので、また改めてその後のお話はさせていただこうと思います。

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