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2019年1月12日 (土)

駅員、砂川次郎の独り言 第三話

> 結局、次郎が学校の先生から合格通知を聞くのは、おじさんが家にやって来てから三日後に学校に届いた速達で知ったのでした。

「次郎、先生が呼んでいるぞ。」
幼なじみで、同級生の良夫が声をかけます。

 「え?先生が?」

多分、国鉄の試験のことだろうと思いましたが、間髪入れず良夫が、

「次郎、なんか悪いことしたんだろう。」
いたずらっぽい目で良夫が笑います。

 「違うよ・・・。」
といいながら、恐る恐る職員室に向かうのでした。
良夫も何となく気になって職員室の前まで行くのでした。

職員室の前で、

「入ります」

そう言って職員室の引き戸を開けると、丁度担任の先生が教頭先生と話しているところでした。

次郎の顔を認めると、

  「おお、佐藤、おめでとう。」

担任の大井先生と教頭先生が一斉に声をかけます。

職員室の前で待っていた良夫も、(・。・)状態

担任の大井先生が、次郎に告げます。

「先程、速達郵便が届いてな、開けてみたら佐藤君が日本国有鉄道の試験に合格したからと言う内容だったんだ。

次郎は、既に親戚のおじさんから聞いて知っているとも言えず、黙ったままでいると。
先生が、

  「佐藤は嬉しくないのか?」
怪訝そうな顔でのぞき込みます。

「ち。違います。嬉しいです。」

慌てて否定する、次郎でした。
後ろで見ていた良夫も嬉しそうです。

良夫は、家業の町工場を継ぐことになっているのですが、やはり友達の就職は少し複雑な思いもある反面嬉しく感じるのでした。

「次郎、良かったなぁ。」

担任の大井先生からは、後日、配属の希望調書などが自宅に送られるそうだと言った後、また、教頭先生と話を始めるのでした。

そのまま。ボッと立っていると、大井先生が

 「佐藤、もうすぐ授業だから教室に戻れよ」

次郎と良夫は苦笑しながら。

「失礼します」

そう言って、職員室を出るのでした。

良夫が、少し膨れて、

「先生も話が終わったら帰って良いぞとすぐ言ってくれれば良いのになぁ、ずるいよなぁ。」

「そうだな、。。。」
次郎も苦笑しながら、教室に戻るのでした。

次郎、お前国鉄に行くんか?

情報屋と言われる。啓太は次郎に話しかけます。

「え?なんで知っているの。」

次郎はビックリしていると、さっき職員室の近くまで来たら、「おめでとう」という声が聞こえて、外に良夫の姿見えたんでね。

中々勘の良い、啓太です。
流石に情報を集めるのはうまいモノです。

そんなわけで、教室でも次郎が国鉄に合格したことは知れ渡ってしまうのでした。

当時は大学に行くのは本当にお坊ちゃんと呼べるような人だけで、殆どの学生は高校を卒業すると就職するのでした。
実際には、中学を卒業してそのまま働きに行く子もいるので、当時は、高校まで行ければ親としての責任は果たしたと言われたものです。

次郎のクラスでも、大学に進学したのは、町医者の子供と、県会議員のちょっとキザな、二人だけでした。
3クラス120人ですが、大学に進学したのは、10人もいなかったのです。

そうして、3月1日、春の卒業式、各々が一抹の寂しさと三年間の高校生活の思いを抱きながら卒業していくのでした。
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ああ、また紙数が尽きてしまいました。
blackcatから小言を言われそうですね。
次回こそ、駅でのお話をさせていただこうと思います。

実は、最初に勤務したのは、大きな駅でした。
最初から小さな駅で仕事をすると、仕事を覚える機会がないだろうということで、とある大きな駅で働くことになったのですが、その辺はまた次回とさせてくださいね。

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